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基層と先端の重奏

「Cultural Generator(文化的発電装置)」の「基層」とは、この土地に受け継がれてきたコンテクストを継承し、新たな独自の都市文化を生成していく場としての骨格となる部分を指します。 「基層」のあり様として、恣意的な装飾は行わず、必要とされる機能に従い、信頼性が高くデザイン寿命の長いしっかりとした空間構成を目指しました。 これに対し「先端」とは、新たな独自の都市文化を生成させていく舞台となる部分を指します。 「先端」のあり様として、常に変わり続ける先進的なムーブメントを許容できる柔軟性や選択性を確保し、周辺街区と呼応しながら多様な街の賑わい領域を連続させていくことを目指しました。 「基層」「先端」それぞれに必要とされる機能・要素は多くの面にわたります。今回、建築計画にあたり〈信頼性〉〈柔軟性〉〈都市性〉という3つのキーワードを掲げました。これらを重ね合わせ、調和のとれた空間を奏でることを目指す。その思いを表したのが、設計コンセプト「Multi-layerd Ensemble(基層と先端の重奏)」です。

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上段:中央通りより
下段左:2Fオフィスエントランス夜景
下段右:5Fオフィスロビー

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変化に富む豊かな表情

秋葉原UDXは延床面積16万平方メートルを超える東京都心でも屈指の大規模複合施設。その外観デザインを考えるにあたっては、いかに周辺の都市空間や人々の様々な都市活動との関係性の中で、調和のとれた景観を創るかを重視しました。
そのため、できるだけシンプルで合理的な基本形態を守りつつ、東西ファサードの縦フィン、南面の人々を迎え入れる大キャノピー、室外機置場の水平ルーバーなど各面ごとに必要な要素をあたかもレイヤを重ねるように構成するよう配慮しています。
こうして生まれた「都市のスクリーン」としての外観デザインは、内部のアクティビティを効果的に表出しつつ、時の移ろいや見る人の位置、角度によって多様に変化する豊かな表情を創出しています。

上段:西側遠景
下段:様々な角度から見たフィン

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都市の中の舞台

常にダイナミックに変容し続ける都市空間の中で建築はいかなる変化や時代性(先端性)も余裕を持って許容する包容力を持たなければなりません。秋葉原UDXは、場所と空間のアイデンティティを形成する骨格(基層)づくりとともに、適切でバランスのとれた「余白のデザイン」に配慮しました。ヒューマンスケールで界隈性のある既存街区と一体となって発展していく都市空間の創造です。18層のオフィスフロアを持ち上げて、その下部に高さ約20メートルの大ピロティ空間を設けたのは、周辺街区のスケール感との親和性を図りつつ街に開かれた都市の「余白」を提供するためです。
イベントスペースをはじめ、レストランやショールームなどの賑わい機能が配されたこの余白は「基層と先端の重奏」が演じられる都市の中の舞台となってくれることと期待しています。

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上段:2Fからピロティを見上げる
下段左:2F西側階段デッキ
下段右:ピロティ部夜景

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